君の名は。SS 結婚式の司会案内風

本日は、皆様より、立花家、宮水家、両家の結婚披露宴にご列席頂けましたこと、心より感謝申し上げます。
私は、本日縁あって、新郎、瀧さん、新婦、三葉さんの結婚披露宴の司会を務めさせて頂きます、〇〇と申します。どうぞ、宜しくお願い致します。
ご列席頂きました皆様に祝福され、今日という日を迎えられた瀧さん、三葉さん。
さきほど、神前におきまして、お二人の結婚がつつがなく執り行われ、晴れて夫婦となられましたことを、ここにご報告致します。

ここで、お二人のプロフィール紹介をさせて頂きたいと思います。

新郎、立花瀧さんは、一九九九年十二月一日に、立花家の長男として誕生致しました。
小さい頃はヤンチャで、物怖じしないお子さんだったということです。家では絵を描くことも大好きで、一度描き始めると、夕御飯の時間になっても全然食べようとしないくらい集中してしまい、家族を困らせることもあったそうです。
中学校に入ると、バスケットボール部に所属。持ち前の負けん気と集中力でレギュラーメンバーとして活躍し、名門校からのスカウトもあったとか。ただ、その後はバスケの道には進まず、都立神宮高校へ進学。部活動は行いませんでしたが、友人たちとの友情を育み、カフェ巡りや、レストランでのアルバイトに勤しんでいたとのことです。
その後、現役で〇〇大学へと進学、高校の頃から徐々に建築や街づくりの仕事に興味を持ち、〇〇設計事務所へと入社、真っ直ぐな性格と、実直な仕事ぶりは上司からの信頼も厚いとお聞きしております。

新婦、三葉さんは、一九九六年十二月一日に、宮水家の長女として誕生致しました。
小さい頃は甘えん坊で、いつもお母さんやお父さんにくっついて離れようとしなかったそうです。
ただ、それも妹が生まれると、お姉さんらしく、しっかりしようと一生懸命だったと三葉さんのお祖母さまよりお聞きしております。
地元の糸守高校に進学した高校二年の秋に、三葉さんの地元である糸守町に彗星が落下。故郷を失うという辛い時期があったものの、それを乗り越え、東京の〇〇大学へと進学。
今は、東京の〇〇会社に勤務し、社会人〇年目として、諸先輩方、後輩からも頼られる存在となっております。

 さて、お二人の出逢いは、二〇二二年の春、並走する電車の窓越しにお互いを見つけ、一目見て"この人だ"と思ったそうです。
不思議なことに、お互い誰かを探しているような気持ちを持ちながら過ごしており、確証がない中、瀧さんが、三葉さんに声を掛けました。
その時のことを、瀧さんは『この人だと思って呼び止めましたが、もうとにかく必死でした』とのこと。
三葉さんは『この人だって思いましたが、一度は声を掛けられずに、すれ違ってしまい、泣きそうになりました』と、その時のことを思い出すように教えて下さいました。

そんな不思議な運命に導かれた、お二人の出逢いでしたが、その後は、少しずつデートを重ね、愛を育んで参ります。
瀧さんから誘った初めてのデートで、瀧さんが『付き合ってください』と気持ちを伝え、三葉さんもその気持ちに応えると、その後は毎日のように連絡を取り合い、お互いの理解を深めていきます。
お二人とも料理をすることが好きで、主に瀧さんは洋食を、三葉さんは和食が得意なことから、付き合い始めてからはお互いに料理を教え合い、更に腕を上げてるんだとか。
瀧さんが好きな三葉さんの料理は『お味噌汁』。どこかホッとする味で、毎日でも飲みたいとのこと。
三葉さんは、特にこれと決めることはできないそうですが、パスタを作る時は瀧さんが作る方が美味しくて、つい食べ過ぎてしまうそうです。

そうして愛情を温め合い、出逢ってから一年後、三葉さんの故郷である糸守町へと二人で旅行に出かけ、地元ではカタワレ時と呼ばれる夕暮れ時に、瀧さんの方からプロポーズ。
プロポーズの言葉は『結婚して欲しい。一生離れたくない』。その言葉に、三葉さんも『喜んで。私も離れたくない』と応えたそうです。
瀧さんに三葉さんの好きなところをお聞きしたところ、『彼女の名前を呼んだ時に見せてくれる笑顔かな』と仰っておりましたが、同じ質問を三葉さんにしたところ、『どんな時でも、私のことをわかってくれるように、彼が名前を呼んでくれるところ』と、どこかお二人が通じ合ってるかのようなお答えを頂けました。

本日、晴れて夫婦となり、新たな門出を迎えたお二人。
これから二人でどんな家族にしていきたいですか?との質問に、瀧さんは、『家族が仲良く、一緒に笑って過ごせる家庭を作りたいです。子供は二人は欲しいですけど、もう少しだけ二人一緒に居られる時間が欲しいかな』とのこと。三葉さんは『どんなことがあっても、彼と一緒なら笑って過ごせると思います。子供ができたら一緒に料理をしたり、家族みんなで楽しく過ごせる家庭を作りたいです』と仰ってました。

瀧さん、三葉さん、本日は本当におめでとうございました!
(拍手☆in笑)