君の名は。SS いい夫婦の日

11月22日、ギリギリ間に合ったー(読み返していない

最近絶不調で、その理由は主に、瀧くんと三葉が動いてくれないのが要因なのですが;;ひとまずリハビリを兼ねて。

ほぼ会話文で軽い内容ですが(作りは非常に粗い)、ブログなので、なんでもありということで(ぉぃ

 

夢の中っぽく。高校生瀧三で宜しくお願いします。

 

「瀧くん、瀧くん、今日は『いい夫婦』の日なんやって」
「ああ、11月22日で語呂合わせか」
「そうそう」
「なるほどなぁ、いい夫婦かぁ」
「うんうん」
各々の両親を思い浮かべる瀧と三葉……

「うーん……(←両親離婚)」
「んー……(←私が愛したのは二葉だけだ!!)」

「いい夫婦ってなんだ?」
「そうやよねー……あ!それじゃ、瀧くん!」
キラキラと目を輝かせて瀧に迫る三葉。
「試しに私達で『いい夫婦』っぽくやってみない?」
「はぁ?」
「お互い両親には苦労したんやから、同じ轍を踏まないように練習!!ね?」
こいつ、また阿呆なこと思いつきやがったな、と思いつつ、ため息混じりに了承する瀧なのであった。


***

「じゃあ、瀧くん、まずは横になって」
「は?」
「まずは朝からやろ?私が寝ている瀧くんを起こします」
「いや、ちょっと待て。お前、俺より先に起きられないだろ?」
「そ、そんなことないんやよ!ちゃんと結婚すれば、妻の務めを果たせる……はず?」
「疑問符付いてるじゃねえか」
「もうっ瀧くんは細かすぎ!そんなんじゃお嫁さんもらえないよ!」
「わかったよ。じゃあ、はい、横になったぞ」

三葉はコホンと咳払いすると、瀧の耳元で囁く。
「瀧くーん、朝ですよー。早く起きなーい」
「いや、違うだろ?」
「え?どこが?」
「そこは『瀧くん」じゃなくて、『あなた』じゃないのか?」
「えっ!?あなた……?」
「結婚しても、瀧くんなのか?」
「え?あ、まあ……そうやね……じゃあ……あなた、起きて?」
「………///」
瀧は耳まで真っ赤になって顔を覆った。

「なによ!瀧くんが言えって言ったんやないの!」
「スマン;;言われると結構照れる」
「もうっ……」
「悪かったって。じゃあ、続きな。おはよう、三葉。今日もいい天気だなぁ」
「……違うやろ?」
「は?何が?」
「瀧くんのこと『あなた』って呼ばせるんやったら、私も『三葉』以外がいい」
「んなこと言ったってなぁ……じゃあ、『お前』?」
「なんか亭主関白っぽい。却下」
「んだよ……じゃあ、なんだ……三葉、三葉さん?……あ、『みっちゃん』とかどうだ?」
「それなら、私は瀧くんのこと、『たっくん』って呼ぶ」
「スマン、冗談だ……。先に進まねえから、三葉でいいだろ?」
「仕方ないなぁ」

***

「朝ご飯は、ご飯?それともパンの方がええの?」
「三葉が作ってくれるなら、和食の方がいいけど……料理作るのはさ、当番制でいいんじゃね?俺も料理するし、作るの嫌いじゃないから」
「瀧くんの料理も美味しいもんね。瀧くんがいいなら、私もその方がいいな」
「じゃあ、朝ごはんを食べたら、会社に出勤、と」
「え!?瀧くん、就職しとるの?」
「俺はニートかよ……」
「違う、違うんやよ。瀧くん、宮水神社で働いとるんやないの?」
「え?俺、宮水家に婿入りしてる設定なの?」
「まあ、ええか……瀧くん居なくても神社はなんとかなりそうやし」
「お前、何気に失礼だな。で、朝、出勤すると」

「瀧くん、いってらっしゃい。今日は帰りは何時くらい?」
「あー……仕事次第だけど、遅くなるようなら連絡するから、先に寝てて」
「うん、わかった」
「じゃあ、行ってきま」
「ちょっと待って、瀧くん」
「え?なに?」
「いつものは?」
「いつもの?」
「いってらっしゃいの時にするんやろ?」
「何を?」
「いってきますの……キス」
「ハァ!?」
「ハァ!?ってなんやの?ハァ!?って。『いい夫婦』やったら、そういうのしとるんやないの!?」
「お前の『いい夫婦』基準ってどうなってんだよ」
「子供から見て『仲がいい夫婦』!!」
「う……正論」
「べ、別に本当にキスするんやなくて、イメージ、設定やよ」
「あ、本当にするんじゃねえのか……」
「うん、それはまあ……」
「……じゃあ、『三葉、いってきます』でキスした感じな」
「うん、『いってらっしゃい、瀧くん』でキスした感じ」


***


「昼休みの設定か……じゃあ、三葉にメッセージでも送るか」

瀧『三葉、お弁当、美味かった。いつもありがとう。あ、今日は遅くならないで帰る』

『瀧くん、お仕事お疲れ様です。遅くならないなら、夕飯待ってるね』三葉

瀧『無理に待ってなくてもいいからな』

『大丈夫、今日は瀧くんの好きな肉じゃがだからね。気をつけて帰ってきてね』三葉

瀧『りょーかい!』

「俺……肉じゃが好きの設定になってるな」


***


「ただいまー」
「おかえりなさい、瀧くん」
「ハァ、今日も疲れたなぁ」
「お疲れさま。ねえ、瀧くん」
「なに?」
「まずはご飯にする?お風呂にする?それとも……」
「え……三葉?」
照れたように質問する三葉に心臓が高鳴る瀧。いい夫婦ならば、もしかして夜は……
「特売だったアイス食べる?」
「アイスかよッ!!」

***

「ごちそうさまでした。肉じゃが美味かった」
「どういたしまして」
「週末は俺が何か作るからさ」
「それなら、何かリクエストしてええかな?」
「おう、俺に作れそうなやつだったら、何でもいいぞ」
「やった!あとで考えとくね」
喜んでる三葉を見ながら、瀧は少しイタズラっぽく笑うと、なあ、三葉と声を掛けた。

「なあに?瀧くん」
「久しぶりに一緒に風呂に入らないか?」
「は……はぁ!?何言っとるんよ!瀧くんのエッチ!スケベ!!」
「だって、夫婦なんだからいいじゃねえか。本当に入る訳じゃねえし」
「う……それは……で、でもそれはダメなんやよ」
「なんで?」
「子供をお風呂に入れないといけないから」
「子供居る設定なのか!?」
「そうやよー」
「なあ、俺たち、何歳の設定なんだよ……?」
三葉はうーん、と考えこんだ後、「私が27歳、瀧くん24歳くらい?」と楽しそうに答える。
やけにリアルな設定だなぁと頭を抱える瀧であった……

***

「で、『いい夫婦』できたのか?」
「瀧くんの演技力が今一つと言えば、今一つやった」
「お前の設定が右斜め上過ぎるんだよ!」
「そんなことないやろー!」
「ったく、この女は……」
「それはこっちの台詞やよ」
呆れた表情の瀧と頬を膨らませた三葉。でも、そのうち互いに可笑しくなって笑いだす。

それはもしかしたら、いつか未来に訪れる光景なのかもしれない……