君の名は。140字チャレンジ 七夕編
一昨年くらいに140字以内で書いてみた、三葉の七夕にまつわるエトセトラ。
>入替わり前三葉
私の前には短冊が置かれている。
四葉にお姉ちゃんも書いてとせがまれたもの。
今更この年で(汗)でもまあ、折角の七夕だ。ここは一つ書いてみよう!
東京行きたい、糸守から出たい、もうこんな町いややぁ、ああ愚痴っぽい。
うーん……あ!
『私を笑顔にしてくれる人に出会えますように』
>高3三葉
今宵、織姫と彦星は出逢えたのだろうか?
一年に一度の逢瀬。ロマンチックな気もするけど、私だったらやっぱり毎日会いたいな。
……私は、誰を、何を探しているんだろう?天の川が涙でぼやける。
ねえ、せめて今日くらいは夢の中でもいいから……。
幾万の星々に願いを込めて。『君に逢いたい』
>夏恋三葉(再会日)
彼に出逢えて、嬉しいはずなのに、心を占める想いは何故か浮かなくて。
今日という特別な日が私達をムスビつけてくれた。ちゃんと出逢えた。
だから大丈夫だと自分を言い聞かせる。それでもどこか迷える心の内。
今日は七夕。願いはきっと叶うはず。『瀧くんが幸せになれますように』
>夏恋三葉(一年後)
再会して一年。色んなことがあった。
だけど今はこうして並んで歩いていける。
あの日の想いは純粋だったけど、それはやっぱり間違っていて。
だけど間違いは、いくらでもやり直すことができる。
一人で抱え込まなくても彼が居てくれれば何度だって。
だから、『二人で幸せになろうね』
>大人三葉(再会前)
一年に一度の逢瀬だっていうけど、会えるならいいじゃない。
……ダメだ、そんなこと考えちゃ。思わず苦笑いしながら夜空を見上げる。
東京は星はあまり見えないけど、それでも一際輝く一等星。
同じ想いで同じ星を見上げていてくれてたら、きっと。
『いつか一緒に、星、見たいね』
>大人三葉(再会後)
七夕?うーん、そんなに好きじゃないかな?え?なんでだって?
だって一年に一度なんてイヤやし……。本当は毎日だって会いたいんやよ……。
あれ?顔真っ赤?
だけど、そうだね、願い事が叶うなら、『いつまでも君の隣に居たい』……なんて?
あ……。
もうっいきなりなんて反則やよ!
>浴衣三葉
願いはもう叶ってる。三葉は瀧くんに逢えた。だからもう満足。
三葉の笑顔、瀧くんの笑顔、私という存在の先にそれがあるのなら、これもまた『ムスビ』。
夜空を流れる星の河を見上げていると、心に響く誰かの声。
『ぜったい逢えるよ……』
私の幸せを願う、その想いが叶うまでもう少し。